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*これはサヴァイヴ40話、坊サヴァverの閑話です。フリ坊的要素がほんのちょっとあります。 |
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++たまには恋バナ〜経験者は語る〜++
(シャアラ→ベル、カオル→ルナ前提) そこはかとなくベル→ルナな雰囲気を醸し出しつつ、二人が去った後のその後の六人と一匹。 「へぇ〜、ベルの奴ルナが好きだったのか」 今更だよ、ハワード。 「なんや、ハワード。そんなことも気付いとらんかったんかいな」 うんうん、普通はわかる。けどチャコって本当すごいな。シンゴの説明ではロボットって鉄で作られるらしいのに、人の心の機微までわかるとは。 「まぁ、でもあの二人だったらお似合いだよね」 シンゴ。純粋にそう思ったんだろうけど、何気に止めさしてるから。横でシャアラがごっつへこんでるし、カオルは…なんか小枝折りすぎだから。さっきからボキボキと。 「こ、こんなときに好きだ何だなど、〜っ不謹慎だ!!」 お嬢様はあまり免疫がなさそうだ。僕も周りから見たら昔はこんなだったのだろうか?まぁ、不謹慎とかそういう風には思わなかったけどさ。 「な、なんやメノリ、そう興奮すんなや」 「さてはその反応、お前、好きな奴でもいるんじゃないのか?」 「な、何?!そ、そういうお前はどうなんだ!!」 「ぼ、僕?!べ、別にい、いるわけないだろ!」 「ほんまかいな、ハワード。正直に言うてみぃ!!」 お、何だか本格的に恋バナっぽくなってきた。皆まだ十代だもんねぇ。そっちに関心がいくのはどこの世界でも共通なんだね。 「ハワード財団の御曹司であるこの僕に釣り合うような女はそうそういないんだよ!!…っておい、シュラ」 「何?」 「お前はさっきから何冷静に解説してるんだよ」 「せやせや、一人蚊帳の外にいようったってそうは問屋が下ろさんで!」 「えー」 大人しくしてただけなのに、何故か矛先がこちらに向いてきた。しかもハワードとチャコ。この二人はしつこいんだよね。 「そんな余裕綽々な態度でいるってことは、もちろん恋愛の一つや二つ経験してるだろうな!」 「そりゃぁ、あるけど。二人の期待に答えられるような華々しいものじゃないよ」 「あ、あるのか!!」 「あるんだ」 なんでそこで驚くの、メノリ、シンゴ。 「聞きたいの?」 「「「「「うん」」」」」 ああ、さっきまで黙々と食事に集中してたアダムまで。でもアダムってまだ一応子供なのに、そういう話は早いんじゃないだろうか?それとも最近の子はそんなもんなのかなぁ。 「話しても良いけど、あまり参考にはならないと思うよ」 「そんなの聞いてみないとわかんないだろ」 「だってさ、対象がねぇ…君達と僕とじゃあちょっと事情が違ってくると思うんだよね」 「??どういうこっちゃ?はっきり言うてくれんとさっぱりわからんわ」 やっぱ諦めないか。ううーん、後悔しても知らないよ。 「じゃあはっきり言うけど……」 「「「「うん(おお)」」」」 いや皆前のめりになりすぎ。 「僕の相手は…… |
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男だったんだよね」 「「「「え?」」」」 |
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やっぱりあまり意味を理解していないのだろうアダム以外が一斉に声をハモらせ、コチリと固まった。 ほらね。だから言ったのに。 「普通は異性でしょ。だから参考にはならないって言ったんだよ」 「あんさんの世界では、そういうんが当たり前なんか?」 いち早く立ち直ったチャコが追求をかけてくる。本当にロボットというのはやっかいだ。 「戦場で一時的にっていうのは珍しくないかもしれないけど…一般的にはなしだよ。生殖の問題から言っても普通は男女でしょう」 メノリが慄いている。生殖はちょっとまずかったかなぁ。配慮はしたつもりなんだけど。 「お、お前ホモだったのか?!」 ハワードが身を抱えて後ずさる。失礼な。 「別にゲイではないよ。女の人を素敵だと思うこともあるし。どっちかって言うとバイかも……」 今のとこはっきり好きだと思ったのは男だけだけどね。 「まぁどっちにしてもハワードは好みじゃないから大丈夫だよ。僕が好きになるのは大体年上みたいだし」 「年上?」 シンゴは観点が少しズレたところにいっている。ある意味大物だ。 「あの頃は僕もまだ君達くらいだったんだよ。精神的な意味もあるけどね」 誤解を招くとあれなので、そこだけははっきりさせておく。 「シュラの好きな人はどういう人?」 子供の特権。アダムが無邪気に尋ねた。そう純粋に訊かれると僕としても無下にできない。だからと言って、そう詳しく語るのも何なので当たり障りない答えで返しておく。 「年は10程離れてた。青臭いとこもあったけど、優しい人だったよ。以上」 早いとこ打ち切ってしまおうとしたところで、思いも寄らない人物が反応し、喰いついた。 「ちょっと待って。……まさかそんな半端なところで話を終わる気じゃないわよね?」 「シャ、シャアラ……?」 ここで彼女が出てくるとは思わなかった。恋愛ごとには疎そうに思えたんだけど、何だろう…この気迫のようなものは。 「もっと語ってくれなくちゃ!例えば、その人もバイなのかしら?!」 さ、さっきまでベルのことで意気消沈してたんじゃないかったっけ? 怖い……目が血走ってるんだけど。 「多分、違うと思う…前の恋人は女の人だったし、他の男には断固興味ないって言ってたから」 「ノーマルが落ちる禁断の恋なのね!!」 何、その手のメモ用紙は? 「それで?!シュラ、他に恋人は?!!」 「え、えーと、残念ながらその一人だけだよ」 「ステキ!シュラは生涯その一人を愛し続けるのね!一途だわ!ロマンだわ!!」 言われてみれば、確かにアレ以来恋人もいないし、恋らしきものもしていないかもしれない。そうか、引き摺ってたつもりはないけど、もしかして未練があるのだろうか。でも…… 「別に一筋だったわけじゃないけど……」 「何だと?!では他にもいるということか!」 な、なんでメノリも復活してくるんだろうか。 「「どうなんだ(なの)?!」」 うう、この年になっても女の子ってわからない。 「もう一人、その前に好きな人はいたけど」 「「ど?!」」 本当は前というのもちょっと語弊がある。順番的に見れば確かに先に出会ったのは恋人の方である。 とは言え、最初は彼に対してそんな甘い感情を抱いてなかったし、その間に特殊な事情もあって別の相手に惹かれた訳なので、前と言うよりは間と言うべきなのだろう。 が、余計なことを言えば命取りになりそうなのでやめておいた。 他の男どもは完全に腰が引けている。意外にもチャコまでもが引いてしまっている。 ちっ、役立たずが。 これは素直に答えた方が利口そうだ。さっさと納得して解放してもらおう。 はぁ。 溜息一つと共に僕は語る。 「恋人にはなれなかったよ」 「片思いか?!」 「さぁ?そんな色っぽい関係じゃなかっからなぁ…すぐ離れ離れになって、二度と会えなかったし、ね」 久々に彼の面影を思い出し、少し胸が痛かった。 「報われぬ恋ね!二人を引き裂く運命の悪戯!萌えるわ!!」 おおう、出たよ、メルヘン少女。僕はこれを素面で言うシャアラが恐ろしくて仕方ないんだ。 「そして今の恋人に癒されたわけね」 癒されるも何も、その恋人はそんな事実一切知らされてなかったりするんですが、言っても無駄だろう。 シャアラワールド全快。もう誰も奴を止められない。 「シュラは幸せね、そんな相手がいるなんて」 「しかし、お前はさっき私達くらいの頃の話だと言わなかったか?」 「せや、あんさん今…」 「だったら相手の人は……」 見た目が自分達くらいだから、つい忘れがちになってしまうけれど、特殊な事情があるらしいシュラは年をとらない。そしてシュラの世界でも普通人間は自分達と同じような刻の中でしか生きられない。 はしゃいでいたシャアラも気付いた。シュラが先ほどからずっと過去形で話していることに。 皆の気まずそうな、気遣わしげな視線がシュラの元に集まった。 「うん、彼は随分前に死んでしまったよ。もう百六十年ほど前になるかな」 百六十年。さらりと言われたが、せいぜい百年ほどしか生きられない自分達にとっては途方もない年数だ。それだけの時間、たった一人を想い続ける心境とはどんなものなのだろうか? 「そんなに気の毒そうな顔しないでよ」 「でも、悲しくないの?」 「悲しくないわけじゃないよ。やっぱりそのときはつらかったしね」 今でも彼の最後ははっきりと思い出せる。 「でも思い出すのが嫌なわけじゃない。いずれ死別しなければならないことはわかっていたしね」 「私にはさっぱりわからん。わかっているなら最初からそんな相手を選ばなければ良い、もしくはさっさと別れておいた方が楽だろう」 「うん、そうかもね。僕も昔はそういう風に考えたし。でもさ、思っても意外と実行できないもんなんだよねぇ…だってさ、選べるならそれこそあんなの選ばなかったし、別れたら別れたで、やっぱり後悔するんだよ」 シュラの言葉には実感が篭っていて、淡々と語るその姿に、今更ながらに彼が自分達とは違う、大人であることを思い知らされる。 一斉に悩み始めた皆の姿にシュラは若いなぁ、と苦笑する。 同時に自分もそう思えるほど年を取ったのだ、と改めて実感した。 「後悔しないように生きるっていうのは難しいけどさ。でもなるたけそうなるよう努力することは必要だと思うよ。少なくても僕は彼と一緒にいてよかったと心底思ってる。色々あったけど、最終的にはそれで随分救われたからね」 長々と続く深刻な話にアダムが痺れを切らしたのか、真っ先に根を上げた。 「よくわかんない」 「ごめん、ごめん。アダムにはまだ難しかったね」 シュラは手を軽くポムポムとアダムの頭に乗せた。 「まぁ簡単に言えば、明日はどうなるかわかんないんだから、大切な人ができたら伝えられるときに伝えて、正直になった方が良いってことだよ」 これは主に彼に向けての言葉。皆の輪にあまり加わらず、でも静かにこちらの話しに耳を傾けている、最も素直じゃない彼に向けての。 彼女は鈍そうだし、はっきり言わないと伝わりそうにないよ。 僕の視線に気付いた彼は慌てて僕から目を逸らした。 頑張れ、若造。 ……まぁ、当分は無理だろうけどね。 |
| end. |
拍手8・9・10再録。恋愛要素が薄いサイトですので、たまには恋バナでもとやってみましたが、終わってみれば恋バナというより、ただの坊ちゃん恋愛遍歴話となってしまいました。 しかし坊サヴァでもフリックの存在を一度くらい仄めかしたかったので、そこは満足。もう一人のお相手については…4時代のトの付く人です。 現在の坊ちゃん、御年約二百歳。ただ今フリー、実はこの頃4様がアプローチをかけていました(笑。まぁ、現状の坊ちゃんにはのれんに腕押し状態だったようです。不憫!! |