納得いかない……


そして奴は動き出した。





++奴のレポート 〜疑問編〜++





 まだ夜も明けぬ薄暗闇の中、それは一つの部屋の前でひっそりと行われていた。

 おはようございます。皆さん。
 現在時刻5時。いつも早寝早起きが身上の僕といえども、さすがに少しつらい時間です。
 常時こんな時間に活動しているのは、お百姓さん方とあの暑苦しい熱血騎士のマイクロトフ、通称トフトフくらいのものでしょう。
 ではなぜ僕がこんな時間に!アダリーさん作のマイクを持って!活動しているのか!その理由は!ずばり!この中にあります!
「この中って、ユーリさん。フリックさんの部屋に何の用があるんですか?」
「おい、リーダー。こんな朝っぱらから呼び出しやがって、本当何しようってんだよ…ふぁああ」


マイクスイッチ。OFF。


「ちょっと!そこ!フッチにサスケ!ユーリ、リーダーって身元連呼しないでくれる?!今日の僕はレポーターなんだよ!一つの議題をこう、えと、客的な目で…」
「客観的ですか?」
 どもったユーリにフッチが親切に訂正する。
「そう!それっ!客観的に追求する予定なんだよ!極秘で!だから名前とか出されちゃうと普通に雰囲気ぶち壊し!もう、頼むよ!」


マイクスイッチ。ON。


 では、改めまして。説明させていただきます。
 …僕は常々疑問に思っておりました。
「何をですか?」
 この城には大勢の人がいます。顔とか性格とか、ほんっっっと色々な人がいます。
「まぁ、そうだな」
 なのになぜ!奴なのか!なぜあの人は奴を選んだのか!マクドールさんは!あの!青くて、運の値の低くて、三十路間近の癖に女子高生に追い掛け回されてるへたれなフリックの!一体どこがお気に召されたのか!その真相をつきとめることこそが!今回僕らに与えられた使命なのなのです!


ばばーん!!!
(アダリー作“らぢお”よりBGM。協力―メグ、演奏―コーネリーバンド)


「いや、ばばーん、じゃねぇよ。本人を目の前にしてよくそこまで扱き下ろせるな、お前は……」
 はあっ!フリックさん!計画ではまぬけな寝顔からだらしない起き抜けの風景のレポートへと移行のはずだったのに!
「ユーリさん、心の声が全部マイクに入ってますよ」
 ああっ、しまった!


マイクスイッチ。OFF。


「ちょっと、フリックさんこそ空気呼んでくださいよ。盗み聞きしてたんなら、わかるでしょう!まだマイクも向けてないのに気安くレポーターに話しかけないで下さいよ。ほんと、気が利きませんね」
 『ずばり!この中にあります!』の段階でフリックの部屋のドアを全開にしておいて盗み聞きも何もないだろう。
「それからフッチ!名前はだめだから!これからはリポーターのYさんで!」


マイクスイッチ。ON。


 続けます。今回はマクドールさんと比較的よく一緒にいる姿を見かける何名かにこの質問をする、というやり方で進めていきたいと思います。
 まずは、当事者のフリックさんに話しを聞いてみようと思います。
 で、どこだと思いますか?(マイクを向ける)
「ああ?どこ、と言われても、あいつはそういうこと聞いても赤くなって怒るだけだから、全然わからないな…」
 はい、うざいですね。おまけに回答が何の役にも立たないとこがやっぱへたれです。のろけなんか聞いてないんだよ、この野郎。別に悔しくて言ってるわけじゃあ決してないですから。
「お前俺を貶しに来たのか?そうなんだな?お前の陰謀で回されて来た書類のせいでこんな早朝から起きて仕事をしようとしてる俺に更に追い討ちをかけに来ただけだろ?!本当は?!」
 さぁ、では次にいきたいと思います。
「無視か?!本当に何しに来たんだ!!」
「Yさん、次と言ってもまだ他の皆さんは活動していらっしゃらないんじゃないですか?」
 誰もレポートしに行くとは行ってません。レストランに腹ごしらえに行くのです。ハイヨーさんなら料理の下準備に起きてるから。
「どうでもいいけど、早朝に来たのは本当に嫌味のためだけだったんだな……」



 では今度こそ本格的にレポートを行いたいと思います。
「最初からフリックさんには期待してなかったんですね」
「っつーか、俺らは何で呼ばれたんだ?」


マイクスイッチ。OFF。


「レポーターには助手がいるだろ?」
 さも当然と言わんばかりの顔である。
「何で俺らなんだよ?」
 早朝からいきなり起こされて、わけのわからないことに巻き込まれたサスケは心底不機嫌である。
「フッチはシュラさんファンだから誘ってあげたんだよ。サスケは……ついで?」
「帰っていいか?」
「僕だって帰りたいよ……」
 フッチは知りたくないわけではないが、こんなことがシュラにばれたら、怒られることがわかっているので、やはり関わり合いになりたくないようだった。
「ええい!文句言うな!これは軍主命令だからね!」
「要するに一人じゃ寂しいんですね」
 スルー。


マイクスイッチ。ON。


 では時間が無いのでここからは一気にいきたいと思います。極秘なんで名前は伏せていきます!


「彼自身が大人ですし、
 逆に感情的なところがお気に召されたのでは?」
(by フェミニストさん)

「ほほう、怪しいとは思っていたが、やはりそうだったか。
 よく知らんが一本気そうな男に見えたな」
(by チーズケーキさん)

「フリックさんの太刀筋はすばらしいですね。
 今度また手合わせを願いたいものです」
(by 特訓大好きさん)

「ムム、ムァ!ムムムムムーァ!ムー!
(赤い人と青い人はお菓子をくれる!優しい!)」
(by モモンガじゃないよ、さん)

「男のことなんか聞かれてもなぁ。
 あいつのことだし、無難に誠実なとことかじゃねえの?」
(by 自称愛の伝道師さん)

「はぁ?そんなこと僕が知るわけないだろ。
 切り裂くよ」
(by 冷血鉄仮め…)

 はぁ、はぁ。ひどい目にあいました。……しかしこれだけ聞いたにもかかわらず、何というかこれだ!という決定打的なものがありませんでしたね。
 で、君はどう思いますか?
「僕にも聞くんですか?…やっぱり一番つらい時期に傍で支えてくれたからじゃないですか?」
(by 竜マニアさん)
 こんのっ、愚か者おおおおおっ!
「マイクうっせーよ!何だよ一体!」
 そんな過去のこと出しちゃったら、僕に勝ち目がなくなっちゃうじゃないかああああ!!!
「ええっ?!そんな話でしたっけ?!」
 ええい、役立たずの愚民どもめっ!こうなったらシュラさん家まで行ってみるしかない。行くぞ!
「もう客観的レポーターYさんとかじゃないじゃないですか…」
「ただの私情だろーがっ!!」


真相究明に燃えるリポーターはもう誰にも止められない…

行け!リポーターY!皆の疑問を解消するために!

「誰かこいつ止めろ――っ!!」(by 手裏剣でかくないですか、さん)




continue…

何故レンジャー調?!というか坊ちゃんはどこ?本当に別のキャラばっかり出張ってくるよ!今回は2主君が主役?のはず?テーマはフリ坊です。しかし全ては坊ちゃんの与り知らぬところで動いてます。しかも続いてます。くだらない内容です…;



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