「Yさん、こっそり呼んで下さいよ!」

「あいつにばれねーようにだぞ、とばっちりはごめんだからな!」


わかってるって……シュラさん、一緒に戦ってください!!!!


「「わかってないし、ぜんぜん違う(違います)!!」」





++奴のレポート 〜真相?編〜++





「ちょっとしっかりして下さいよ!シュラさんには会わないように三人にだけ話を聞くって約束したでしょう?!」
 す、すびまぜん…ついいつもの癖で…あの、ほんの出来心でしたんで次から気をつけますんで、そろそろ首を……
「フッチ、まじ首絞まってるぞ…!」
「あ…す、すいません!つい夢中で…」
 ふぅ、またまたひどい目にあいました。一流レポーターへの道は障害がいっぱいというわけですね…
「いや、全部お前の自業自得だろ」
 再びスルー。

 さて、ただいまの状況を説明したいと思います。僕たちは今マクドール邸の正面玄関に来ています。
 なぜか?それは認めたくはないですが、今現在シュラさんの最も身近にいるといえる二人と家族であるクレオさんからこの疑問の真相を聞き出すためです!
 もちろん、マクドールさんには内緒です。マクドールさんは無断でプライベートに立ち入られるのが好きではないので、それをすると……ブルブル。とにかく恐ろしいらしいのです!(by ハードボイルド名探偵)
「っつーか、そもそも無理だったんだ。ここあの人の家だし、今大声で呼んだし」
「ようこそ、ユーリ様、フッチ様、サスケ様。シュラ様でしたら今日はいらっしゃいませんが、クレオ様、カエン様、アキト様でしたらご在宅です」
 おおおっ!ナイスタイミングです!ばっちりです!そしてザハさん、いつからそこに?
「フッチ様がユーリ様の首を絞めたあたりからです、では奥へどうぞ」
「なんだか都合が良すぎる気がする…」
「この人相変わらずあなどれねぇ。気配なさずぎだぜ…」



「あら、いらっしゃい。ユーリ君」
「久しぶりですね」
 早速ですが、クレオさんとアキさんにお聞きします!マクドールさんは〜(以下略)と思いますか?!
「もはや何の脈絡もなくなってきたな」
「本名普通に出てますしね」
 そんな些細なことはもうどうでもいいんです。結果が全てなんです!
「「ああ、そうですか」」
 だから、マイクはフッチにあげます。代わりに解説して。めんどいんで。
「わかりましたよ、もう早く終わるならなんでもいいです…」

レポーターY→レポーターFへチェンジ。

 お二人はどう思いますか?
「俺はフリックさんのことは良く知りませんのでコメントは控えさせていただきますね」
「あたしも坊ちゃんからその手のことを相談されたりしないからねぇ。でも戦争中よくフリックが坊ちゃんを叱ってるのを見かけたわね。たぶん、そういう普通の子供扱いしてくれる人は貴重だったと思うけど」
 なるほど、確かに見かけましたね。
「むむ、確かにあのマクドールさんを子供扱いなど僕には…いや、でもフリックさんがそんな大人的な…いや、でももう他に可能性が……」
「ははははは、甘い!甘いぜ!!レポーターY!」
 階段の手すりに誰か乗ってますね。あ、飛びました。
「それはもう過去の名です!って、な、何奴?!二階から飛び降りジャンプだとうっ?!こやつ、できる!!!」
 華麗な着地を決めたのは…エンさんです。そういえばまだ聞いていませんでした…いえ、それより甘いとはどういう?
「ふん、シュラがあの青いののどこがいいかだと?そんなの決まってるだろうが!!」
「で、ではあなたは、ぼ、僕が追い求め続けた真相を知っているというんですね!それは何ですか?!」
「ずばり!」
「「「ずばり…?!」」」



「は、何を言ってるんです!…マ、マクドールさんは外見で人を判断したりなんて……」
 エンさん、あなたは間違ってます!
「だから甘いってんだよ、YにF!!シュラと仲の良い奴らの共通点を考えてみろ」
「サスケ!さっき質問した人のリストだ!」
 早く!サスケ!!
「ったく、オレはどうでもいいってのに、なんで……ほらよ」


 ユーリさん、すごい早さで、資料に飛びつき、目を通してます!いつもの書類仕事もこれくらいの勢いがあればシュウさんにも怒られなくても済むと思います。
 では僕も少し失礼して見てみようと思います。
「うっ……」


美青年:3、美少年:2、まあまあ美形:1

可愛い動物:1、渋い系:1(しかも最近何気に若い頃も男前であることが発覚)


「そ、そう言えば、この屋敷の人たちも何気に……そ、そんな顔の好みなんてどうしたら…!」
 ユーリさん、足元がふらついています。相当ショックを受けている模様です。格言う僕も、あはは、ブラックが見えます…
「おい、帰って来い!フッチ!俺はレポーターなんて嫌だからな!」
 サスケ。これを頼むよ…僕も客観的にレポーターする気分にはなれないから。

レポーターF→レポーターSへチェンジ。

 正気に返ってる癖に渡すなよ!あっ、勝手に「」取るなよっ!!
「今度カスミさんにサスケのレポーターぶりを話しておくから」
 こ、今回だけだからな!いっとくけど、別にいいとこみせようとかいうんじゃないからな!
「はいはい…ユーリさん!騙されないで下さい!今日は偶々いませんでしたけど、ビクトールさんは可愛くも美形でもないです!パーンさんもそうでもなかったです!」
 すごいぜ、フッチ。何気に自分も現実逃避しておいて、温厚そうに見えてひどい奴だな。
 パーンってのはあそこに飾ってある肖像画の一人か?
「た、確かに!エンさん!騙すなんてひどいですよ!」
「なんだ、もう気付いちまったのか…軽いジョークだろ?」
 リーダー変わり身早いな。エンって奴も全く悪びれなしだ。
「そうでもないですよ」
「「「そうでもない?」」」
 どういうことだ?アキさんだっけ?
「この間シュラの部屋を掃除したときに偶然見つけてしまったんですけど…これ」
 日記帳か?いや、違うな、これは…うおっ、お前ら突進してくんな!!
「「「こ、これは……」」」


美ランクノート


…………………
「あれ、皆さん見ないんですか?では僭越ながら俺が……」

ぺらり。

☆S…フリック・アキ ☆特A…ルック・ムクムク
☆A…カミュー・トフトフ・ゲオルグ伯父
☆B…シーナ・ビクトールとパーン(現在の姿より無駄な肉をとることによって得られるワイルドな若い頃の外見に期待)


「「「何それっ?!それより僕(オレ)は?!」」」
「エン・ユーリ…それぞれランク外。大猿・小猿」
「「ぐはぁっっ!!」」
 調子こいてるからだぜ!!!!
「フッチ…D」
「び、微妙!」
 返って地味だぜ、ぎゃはははは!!
「女性欄、特A…………カスミ」
 ?!?!?!?!んなっ、んなっ、ななあああ!!!!

 全員撃沈。

レポーターS→レポーターAへチェンジ。(転がったマイクを拾う)

 皆さんそれぞれ膝を突いて消沈している模様です。
 とりあえず、これで任務完了ということでいいのかな?シュラ。



********



 所変わって、同盟軍本拠地クーシェン城フリックの部屋。
 コンコン。
「誰だ?」
「僕だよ」
 扉を開けると、声に違うことなくそこにいたのはシュラだった。
「ユーリなら多分お前ん家に行ってていないぞ」
 普段「分を弁えないと」とユーリに呼ばれない限り、こちらに来ないシュラが自ら来るのは珍しい。周りを見てもやはり一人のようだ。
 道中会わなかったのだろうか?
「知ってるよ。会わなかったのはルックに頼んで迎えに来てもらったから」
 考えていることを読まれてしまうのはいつものことだ。しかしシュラが何を考えているかは昔からさっぱりわからない。
「何で知ってんだ?」
「これ」
 渡されたのは一枚の紙。
「なになに…企画書。実行の日付は、今日?協力者はフッチにサスケ。早朝フリックからカミュー…(以下略)…ルック。昼マクドール邸へ。テーマは…お前これをどこで」
「昨日帰る前にユーリに挨拶に行ったら机の上においてあった」
 馬鹿か、あいつは。極秘とか言っといてそんな目立つとこに置いといて、一番まずい奴に見つかっちまってるじゃないか。
「人のプライベートに悪戯に立ち入るのってよくないよね。おいたにはお仕置きさ」
 必殺スマイル。見慣れたものにとっては恐怖の象徴である。早朝、散々虚仮にされた恨みはあるが、さすがにフリックは同情せずにはいられなかった。
「まさか、ミルイヒにもらったノートを書く日が来るとは思わなかったけど……」
 それは別に意識を飛ばしていたフリックの耳には届かなかった。
「で、これに対する答えはやっぱりないのか?」
 企画書をひらひらさせて愛しの恋人に尋ねる。フリックは何度諦めが悪いと思われようと、やはり一度くらいは正直な答えを聞いてみたかった。
「ちゃんと最後まで読んだ?テーマの下」
「下?」

……………………………

「直接言ってくれたら、もっとうれしいんだがな」
「贅沢言うな」
 ぴしゃり、と言い放つシュラの頬は、けれどほんのり赤く色付いていて…意外と照れ屋な恋人の精一杯にフリックの頬も緩みっぱなしだ。
「書類もスムーズに終わって時間も空いたし、今日は一日一緒にいような」
 おまけにいつものお邪魔虫もいないようだしな。
「うん……」
 そのまま手をとって部屋を出ようとするフリックに先に外に出るよう促し、シュラは一人残った部屋で企画書と書かれた紙を拾い上げた。
「フリックは残念がるだろうけど、こんなもの他の誰かに見られるわけにはいかないしね」
 ぽつり、と呟くと懐から一枚の札を取り出し、発動させる。紙は黒い灰へと姿を変え、それは風に吹かれ、後には何も残らなかった。



『マクドールさんはフリックさんのどこが好きなのだと思いますか?』











全部








レポートへの返答は以上で終了とさせていただきますのでご了承下さい。






「どこに、何が、なんて惚れてしまえば関係ないさ」











「まぁ、フリックのは特別だけどね……」


 やはり顔?

 真実とは、簡単に手に入るものではなく、だからこそレポーターは懸命にそれを追い求めるのでしょう。


要するに真相は闇の中?




end.

ふたを開けてみれば、坊ちゃんは全てお見通しでございました。なんだか他の面子が不幸ですね。特にフッチとサスケなんてただのとばっちりです(笑)
何はともあれ初フリ坊!!なのでフリックさんをあえて幸せにしてみました…最後のは知らぬが花ってやつです。



おまけ

 フリックとシュラがレストランで仲良くお茶をしているのと同じ頃、マクドール邸では。
「さて、シュラが帰ってくる前にノートの内容を元に戻しておかないといけませんね」
 隣の部屋で唸っている連中をクレオに任せ、彼はこの家に初めて来たときに与えられた自室で一人嫣然と微笑んだ。
「ライバルという邪魔な芽は早めに摘んでおくに限りますからね……ククク」
 果たしてどの部分が、どれだけ改竄されていたのか、それは彼以外誰も知らない。



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